2009全日本で見た背中 ー遺憾ー
終盤、レースが動き出したとき多くの選手がふるい落とされた。
先頭が通過してから、大きくなった間隔をあけてばらばらと遅れた選手が通過していく。
そしてEQA-梅丹本舗-グラファイトデザインのこの二人も…
終盤、レースが動き出したとき多くの選手がふるい落とされた。
先頭が通過してから、大きくなった間隔をあけてばらばらと遅れた選手が通過していく。
そしてEQA-梅丹本舗-グラファイトデザインのこの二人も…
多くの選手がラスト1周に入ってコース上では既にざわめきも落ち着いていた。
気の早い報道はゴールの瞬間を捉えようと既に場所を確保しはじめている。
そんな中、西谷雅史選手は帰ってきた。
そしてゴールラインを通過して走り続けていた、嬉しかった。
レース序盤に逃げを決めたのは若手のなかでも期待されている二人。
EQA-梅丹本舗-グラファイトデザイン 菊池 誠晃選手とシマノレーシング 畑中 勇介選手。
結果この二人のコントラストが面白いことになった。
先に単独逃げたのは菊池、そこへ集団から抜け出し追いついたのが畑中。
集団に吸収される前に菊池はもう1発弾を放った。
前週このコースで行われたレースで優勝を飾った畑中であったが、菊池のアタックについていく事ができずDNFとなる。
しかし…
勝者が確定し、わきあがったゴール先周辺は直後の囲みインタビューも終わり人が散りはじめていた。
その閑散としはじめたゴールへ向けて全力で向かっている選手がいた。
全日本アマチュア選手権トラック、スクラッチで優勝している、マトリックスパワータグの辻善光選手だった。
長年降り積もった雪が取り払われ、今年新しい花が咲いた。
Team Focus-Outdoor Products 西加南子選手。
叫びとも嗚咽ともつかない声をあげ、彼女はゴールへ飛び込んできた。
これまでの全てをその声に詰めこめみ、はき出しているかのようでもあった。
へたり込んだその周りには早くも報道の輪が広がった。
全ての選手がゴールラインを通過し終えていないコース脇では、EQA-梅丹本舗-グラファイトデザインの岡崎和也選手がこれまで応援し続けてきたファンに囲まれ挨拶をしていた。
この日の引退レースを終えた背中は清々しく堂々としていた。
続々と選手がゴールラインをきってあたりに人が溢れだした。
さすが全日本というべきか、右にも左にもスター選手ばかり。
引き続きゴールしてくる選手の進路を気にしながら右往左往しつつ、気になる選手へカメラを向けていった。
すぐに、この時撮りたかった選手が見あたらない事に気がつき、かなり焦った。
どうしても撮りたくて、ようやく見つけ出したのはシマノレーシング 鈴木真理選手。
レース状況を見て他の選手が見いだせない最良の手段を瞬時にはじきだし勝負をしかけていくことから、天才という表現が用いられる事が多い選手だ。
早々チームテントへ向かっていた、その天才の背中にはこれまでと何か違う雰囲気を感じた…