リスナーの巽さんから、スノーが苦労して説明していた「色収差」について、大変判りやすい説明を
メールでいただきました。
今回は「他人のふんどし」をお借りしてまして色収差についての補足説明をさせていただきます。
お忙しい所、転載を快く了承された上、加筆修正までしていただいき、ありがとうございました。
以下、巽さんよりいただいた、解説になります。
アポクロマートの定義ですが、単純に「3色以上について色消しを実現した
レンズ」ということのようで、そのレンズの用途に応じた3色以上のピックア
ップした短波長〜長波長で色消しが実現できていればアポクロマートとい
うことのようです。
カメラレンズでは一般に、C線(赤)、D線(黄)、F(青)線の3種の可視光に
ついて色消しを実現させているようで、snowさんのおっしゃっていた、
赤、黄、青という選択肢は正解だと思います。
高級レンズや、天体望遠鏡など測定器に用いる対物レンズにおいては、
特に可視光領域のみならず、赤外線領域〜紫外線領域にわたって良好な
色消し設計をすることがあり、広帯域アポクロマートといって高性能レンズと
されています。この場合、レンズ素材としては蛍石(フローライト)や、ED
ガラスなどの特殊素材を用いることになるので非常に高価になります。
光学測定器メーカーの情報を参照してみたところ、光の波長表記は概ね
以下のようになっておりました。
ここでのR, B, D, E 等の表記が資料には記載されているのではないでしょ
うか?
赤外:R線(706nm)
赤色:C線(656nm)(測定器によってはB線)
黄色:D線(588nm)
緑色:E線(546nm)
青色:F線(486nm)
紫色:G線(436nm)
紫外:H線(404nm)
一方、DTP機器に使うレンズについては、使用する光源(フィルタ)の関係
で、RGBに対応させた設計のものをアポクロマートとしているようです。
ここより、snowの作例です。
収差の作例として、適当か?とも思うのですが、この写真は普通のレンズに「虫眼鏡」のレンズを
当てて撮影した物です、貝殻のエッジの部分に青い所がありますが、これが「色収差」になります。