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Vol.150 技術講座!?日中シンクロ〜!って 何ですか?

日差しが強くなりましたね! 
これで「日中シンクロ」をマスターして、海でも山でもきれいな記念写真を残せます!?

さて、午後1時くらいの太陽光で撮影開始!(あづい〜)

カメラ機種名 Canon EOS 20D
撮影モード 絞り優先AE Tv(シャッター速度) 1/400 Av(絞り数値) 5.6
測光方式 評価測光 露出補正 -1/3
ISO感度 100 レンズ 28.0 - 105.0mm 焦点距離 105.0mm
ストロボ 非発光 ホワイトバランス オート
AFモード ワンショット AF

ところで、モデルさんはどなたですか?
「がっためらーた だっ ワシを知らんのか?」
「いえ、お顔が影で見えません〜」
「逆光だろ!露出補正を使うんじゃ〜」
「はい、では、、露出補正 +1で」


撮影モード 絞り優先AE
Tv(シャッター速度) 1/160 Av(絞り数値) 5.6 測光方式 評価測光
露出補正 +1 ISO感度 100

「う〜ん、今ひとつじゃな!、そうじゃ、日中シンクロを使うんじゃ、内蔵ストロボが
あるじゃろう〜!」
「あっ 汗 はいでは〜 ストロボON!、明るいから調光補正をマイナス1-2/3にして」
「お撮りします〜 ぴかっ」

Canon EOS 20D 撮影モード 絞り優先AE Tv(シャッター速度)1/250 Av(絞り値) 5.6
測光方式 評価測光 露出補正 0 ISO感度 400
ストロボ 発光 ストロボの種類 内蔵 調光補正 -1 2/3
シンクロタイミング 先幕シンクロ

「うあ」
「何じゃこりゃ〜(怒) ワシのブロンズの質感がまるでダメじゃないかっ!!」
「ワシを誰だと思ってるんじゃ〜〜! ベネツィアのエラスモ・ダ・ナルニを馬鹿にしとるのか〜〜っ」

「ひえ〜 お許しを〜〜〜!」

つづく〜(笑)

絞り優先AEでは、まさしく絞りが優先されますので、環境光が明るい所で絞りを開けた
設定にしますと、シャッタースピードが早くなります。
そこで、内蔵のストロボをONにすると、そのカメラの持つ「シンクロスピード」が、
シャッタースピードの上限に設定されてしまい、AEが決めた本来のシャッタースピードよりも
遅くなるため、露光がオーバーになってしまうのです。

ですから、「ハイスピード調光」「FP発光」の無いカメラやストロボでは撮影感度を低く
設定するか、絞りを絞り込んで、シャッタースピードを遅くする、という手段を使って、
シンクロスピードより遅いシャッタースピードになる様にする必要があります。

「あっ、なるほど〜 感度を100に、絞りは〜シャッタースピードの表示を見ながら
シンクロスピード以下に、なるように絞って行ってと、、、 」
「あっシャッタースピードの表示が露出オーバー警告で点滅してたんだね〜!」

撮影モード 絞り優先AE Tv(シャッター速度) 1/160 Av(絞り数値) 10.0
測光方式 評価測光 露出補正 0 ISO感度 100
ストロボ 発光 ストロボの種類 内蔵 調光補正 0
シンクロタイミング 先幕シンクロ

「どうです、これで!」

「おう、まずまずじゃな、、しかし、背景の柵がワシの頭に重なって見苦しいのぅ〜、
なんとかならんのか?」

「えっ〜、もう、、うるさい、、おや、」

「なにっ なんか言ったか?」

「いえいえ、、(汗)ちょっとお待ちくださいね〜〜」

「背景が気になるので、絞りを開けたい」、ポートレートでは特にそうなりますね。
しかし、絞りを開けると露出オーバーになってしまいます。
ではマニュアルモードと、純正ではないストロボを使って、シャッタースピードを早くして
撮影して見ると。

往年の名機? ナショナルPE321SW 「ストロボット」
デイライトオート(DA)モードもありますが、今回はマニュアル光量で使用


「え〜い、良く判らないから1/1000秒だっ〜 ぴかっ」

「うっ!」

「なんだこれは〜〜 ワシを半分にしおって〜 何か恨みでもあるのかぁ〜〜!」

撮影モード マニュアル露出 Tv(シャッター速度) 1/1000 Av(絞り数値) 6.3
測光方式 評価測光 ISO感度 400  ストロボ 1/16光量で使用

フォーカルプレーンシャッターの一眼レフは、「シンクロスピード」を超えたシャッタース
ピードでは、スリット状に露光が走って行くので、先幕(先に開くシャッター幕)が
開ききった状態で発光された時に、画面の半分はすでに後幕によって覆い隠されて
いるのです。
よって、ストロボの光は半分しか、フィルムや撮像素子に届かない事になります。

「なに!、それでは、発光時間が長ければスリット状の窓が走っている間ずっとストボロ光
をフィルムや撮像素子に光を当てられる訳だなっ」

「ガッタさん〜 あなた本当に14世紀の人〜!!!?」

「いつも、観光客相手のカメラマンがワシの前で記念写真を撮っとるから、聞きかじり
じゃ〜 わっはっは〜」

キヤノンの場合、現行の純正ストロボはすべてFP発光が可能です。

580EX(旧型)使用です。

撮影モード 絞り優先AE Tv(シャッター速度) 1/2000 Av(絞り数値) 5.6
測光方式 評価測光 露出補正 0 ISO感度 400
ストロボ 発光 ストロボの種類 外部E−TTL 調光補正 -1
シンクロタイミング 先幕シンクロ

「うむ、まぁまぁだなっ!」

「(まぁまぁって、この〜〜〜っ) あっもうちょっと撮りますよ〜」

「シャッタースピード早くしてやるっ! エイ 1/4000秒」

「あっはは〜 背景が夜みたい〜!」

「これこれ、ワシで遊ぶんじゃない、暑いのにモデルになってやってるんだから〜」

「ところで、若いの。 日中シンクロはレフ板と同じ事をしているのを知っているかね?」

「えっ?」

「そこの紙を地面に置いてみるのじゃ」

「おぉ〜〜〜っ! 効果絶大っ、こんな紙一枚で!」

「おっと、若いの、ワシの今の大きさに対して、この紙の大きさの比率を良く見るんじゃ!
もし、ワシが原寸大の人間だったら、この紙はどんな大きさになるのかをなっ」

「あっ なるほど〜 とても大きなレフが必要になりますね〜〜!」

「さすが、ガッタさん〜 でも今回はガッタさんがミニチュアで良かった〜(笑)」

「こらっ、 ガッタ、ガッタと縮めるんじゃない! わしはベネツィア共和国の傭兵隊長か
ら、総司令官にまでなった男!エラスモ・ダ・ナルニ!またの名を「虎ネコ」のガッタだ〜!」

「あっ、いま自分でガッタって言った〜〜〜っ」
「うるさい、文句あるかっ!」

「大体なんで、石膏象のクセに、ブロンズ色してるんだっ!このオヤジめ」

「知らん、タカラhttp://my.tomy.co.jp/arts/meisai.aspx?n=Y979361 に聞け!」


今回は「技術講座/日中シンクロ」をお送りしました。
それでは、改めてモデルのガッタメラータさんを紹介します〜

立体カプセル百科事典 石膏デッサン入門2 の解説書によりますと、
正式名称(英語名) Equestrian Statue of Gattamelata
モデル エラスモ・ダ・ナルニ (通称 ガッタメラータ)
スタイル 騎馬像、青銅
作者 ドナテロ
制作地 パドヴァ
制作年代 1450年

1934年、ボストン美術館から東京芸術大学に全身像の石膏像が寄贈されたそうです、
その後、1970年代まで、授業の教材として長く使われていましたが、戦後はその教育
方法が「時代遅れ」とされ、学生たちの評判も悪かったとか、、
歴戦の勇士も、偉大な彫刻家も、自分の銅像が「ガチャ」になってしかもこんなネタにまで
使われるなんて思っても見ないでしょうね〜
撮影してみると、小さいながらもその威厳と存在感は大したものです!さすがドナテロ!!


今回のネタを提供していただいた「たつみさん」のブログはこちら。
http://tatsumi-radio.cocolog-nifty.com/turezure/
お忙しいところありがとうございました!

ところで、コンパクトデジタルカメラや、ミラーレスのマイクロフォーサーズ規格のカメラにも
「シンクロスピード」はあるのでしょうか?
またいつかそんな話もしたいと思います。
スノー

コメント (4)

かもヤン:

こんにちは、桜撮影に続くストロボ使いこないのお話、興味津々で聴かせて頂きました。
我流なもんで、ストロボ使用は試行錯誤の連続です。

最近は静物の撮影は、日中シンクロにレフ版を併用使用しています。
しかし、ハンスケさんと同じで、躍動感ある被写体の撮影として、後幕シンクロを多用していますが、タイミングや、流れお帯びの長さなどで悩みは尽きません。

また580EXを下取りしてEX鵺を買った僕には、少々ショッキングな話題をありがとうございました(泣。

再度取り説を読んで勉強しなおします。

以上/かもヤン

PS.自転車やバイクのレースでストロボは使用してよいのでしょうか?
選手に障害になりは成らないように、バンスを心掛けています。
撮り鉄では、運転席へのストロボは決して行ってはいけない行為です。
どうなんでしょう?

snow:

to:かもヤンさん
早速のコメントありがとうございます!
ショッキングな話題ですみません〜
他にもいろいろ言い忘れた事があるんですけど、また別の収録で、ネタにしたいと思います。

レースでのストロボの使用、どうなんでしょう〜 明るい昼間なら、あまり目に影響は無いと思うのですが、、
そもそも、公道レースだとみんなバシバシストロボ使ってますし〜
そう言えば、ラリーの夜間ステージなんて、ストロボ光りまくりですね。
う〜ん。

あまり解答にならなくてすみません。

スノー

たつみ:

こんばんは。

話題をお取り上げいただき、ありがとうございました。

しかし、このお芝居がかった対話!さすがスノーさん!負けました^^

安易にカメラ任せの日中シンクロで、撮ってまーす。

先日、息子と水族館訪問で役立ちましたよ。

またいろいろお聞かせくださいね。

snow:

to:たつみさん
こちらこそ、いつも貴重なご意見ありがとうございます!
いつかこの「ダッタメラータ」で作例を作って見たかったんですよ(笑)
モデルが小さいので撮影距離が近く、本来の人物写真の場合と条件がかなり違うかも知れませんね〜(笑)

これからもよろしくお願いします。

スノー

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2010年06月19日 15:15に投稿されたエントリーのページです。

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